ホーム » » 棄国ノススメ 増田幸弘

棄国ノススメ 増田幸弘

なにもかもが息苦しくて、たまらなかった。それが社会のせいなのか、自分のせいなのかはよくわからない。たぶんその両方なのだろうが、社会のせいにしたところで、どうなるわけでもない。

目の前にあると思い込んでいた社会は、実体などどこにもありはしなかった。なにやら空気のかたまりを相手にしているように、手ごたえがなかった。自分が何者でもないように、社会もまた何者でもないのだ。どうりで社会を変えようなどと意気込んだところで、どうにもならないわけである。

p18

阪神淡路大震災を境に、この国は何かおかしいと感じるようになった。それから日本を疑いはじめた。国というのは実は頼りにならないのではないか。国はなんのためにあるのだろう。これまで国だと思っていたものはただの幻にすぎないのではないか。

p40

日本はアメリカに戦争で負けた。しかし、それ以上に日本は日本に負けたように感じる。それが国というものであり、戦争の本質ではないか。

p262

動機はもっと深いところにある。日本という国に絶望したのだ。

Return to page top